2025年9月15日(月)

オーエスジー 石川 則男社長
「切削工具市場の行方」を語る

 世界市場は年率2〜3%成長 

 オーエスジー・石川則男社長は、第104回定時株主総会(2月18日)後の株主懇談会で切削工具市場の将来について語った。その概要は次の通り。

車の燃費改善技術が進化
加工が一段と難しく

石川則男社長 オーエスジーの連結売上高を顧客産業別に見ると、自動車産業が50%超、航空機産業が順調に伸長しており10%超、さらに金型産業、精密部品等だ。

 自動車は、燃費偽装問題以降、世界でハイブリッド・プラグインハイブリッドが急増すると見られる。一方、電気自動車は2020年で2%程度(野村証券の資料より)。

 今後、燃費改善技術はさらに進化していくだろう。直噴エンジンノズルの進化、エンジン小型化に伴うトランスミッションの多段化、軽量化に向けたターボチャージャー・カーボンファイバーの採用などが挙げられるが、当社はこれらの加工に注力していく。

 航空機産業では、CFRPやチタン合金など構造部品の軽量化、エンジン部品の耐高圧・高精度化など高度化に向けて、さらに加工が難しい材料に変わっていくだろう。

 加工方法の変化もある。鍛造・鋳造・3Dプリンタの進化により、切りくずを出さない加工(ニヤネットシェイプ)が、従来の粗加工に代わり、切削工具は仕上げに特化されていくだろう。仕上げにはソリッド工具が使われるが、そこにはコーティングが重要。当社は世界12か国にコーティングセンターを展開しているが、さらに強化していく。

 世界の切削工具の市場規模は約2.5兆円で、年率2~3%成長していると見ている。またジョブコーティングの市場は世界で約2千億円(内、切削工具が70%程度)で、年率10%程度成長するだろう。つまり、ソリッド工具、コーティング、燃費改善に向けた自動車、航空機などに注力すれば、切削工具はまだまだ成長市場だと考える。

日本産機新聞 平成29年(2017年)3月15日号

[ ニュース ][ 日本産機新聞 ][ 機械工具業界の出来事 ] カテゴリの関連記事

いよいよ開催【特集:つなぐ関西グランドフェア2025】

最新技術やソリューション披露 ユアサ商事は9月18・19日の2日間、インテックス大阪(大阪市住之江区)の6号館A・Bで、「つなぐ関西グランドフェア2025」を開く。国内の製造業は人手不足や技術者の高齢化が進み、原材料費や […]

ユアサ商事 佐古  晴彦 関西支社長に聞く展示会の見どころ【特集:つなぐ関西グランドフェア2025】

メーカーをつなぎ、変種変量生産に対応 関西圏の市況は。 非常に厳しい状況が続いているが、関西は重電(タービン関係)、船外機など造船関係、電子・半導体、食品・医薬品・化粧品といった三品業界など多種多様な市場が広がっており、 […]

注目8社の出展製品【特集:つなぐ関西グランドフェア2025】

今年も関西グランドフェアがインテックス大阪(6号館A・B)で開催される。「モノづくり」・「すまいづくり」・「環境づくり」・「まちづくり」の4テーマで、320社が出展。本特集ではその中でも機械工具商社・販売店の来場者に向け […]

トピックス

関連サイト