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ヤスヒラ 部品一つの電力量を測定【特集:機械工具販売店の新戦略】
機械工具販売店が積極的に新たな戦略を展開している。工作機械や工具、機器の需要の先行きが見通せず、その一方で人手不足に直面する。それらの課題を乗り越え、事業をさらに成長させていくためだ。独自の発想による新戦略でどんな力を高め、どんな成長戦略を描いているのか。
未来の目標にともに挑む
ヤスヒラが最近取り組んでいるのは、ユーザーが部品一つひとつを加工するに要する電力量の測定だ。企業の部品調達における温室効果ガス排出量の開示義務が2027年から順次始まる。事業成長するために未来の課題に備えようとユーザーに呼び掛けている。
加工の電力量は加工プログラムと加工時間から算出する。そのため部品一つの完成に至る全電力量も、加工の各工程の電力量も測り、自動で記録できる。この測定ソフトはソフトウェアメーカーや代理店技術者の協力を得て、独自の仕様に作りこみ開発した。
そのきっかけはある大手部品メーカーの要望だった。海外に輸出するエネルギー設備の部品を手掛けておりカーボンニュートラルなどの取り組みに関心が高い。いずれ国際基準のスコープ3が定めるサプライチェーンにおける開示義務にも対応していきたいという。
地元、姫路市は発電タービンや航空機部品など重工大手とその協力会社が多い。遠くない未来に多くのユーザーがスコープ3への対応に迫られる可能性がある。できるだけ早く課題解決の方法を知らせることが必要。安平亮社長はそう感じたという。
24年、GXとDXをテーマに開催した自社展でも、この測定ソフトや電力計測器による生産活動における電力消費量の測定を提案した。「大手や中堅、小規模まで幅広いユーザーに知ってもらう機会になった。将来、取り組むときにヒントになって欲しい」(安平社長)。

ヤスヒラは電力量の測定をはじめ様々な事業を手掛ける。機械工具や工作機械を販売するほか、組立、梱包、検査などの省力化機器や専用機械を設計製作する。研究開発部門もあり最新の5軸加工機や複合加工機、アルカリイオン水のクーラントなどで新たな加工技術を開発しユーザーに提案もする。
これらはこの約15年の間に新たな事業として始めた。共通するのは少し先の未来の課題に対する解決方法を提案すること。安平社長は「ユーザーが求めているのは未来を切り拓く技術。それに応えるため新たな事業に積極的にチャレンジしてきた」。
ヤスヒラが目指すのは、ユーザーとともに成長するパートナー。ユーザーに課題解決策を提案するだけでなく、事業成長も後押しする。「ともに同じ目標に向かってチャレンジし実現していく。それを続けることでともに事業を成長させていきたい」(安平社長)。

本 社: 兵庫県姫路市西庄甲108
電 話: 079・294・4000
代表者: 安平亮社長
創 業:1937年
従業員: 79人
事業内容: 工具・機器・工作機械などの販売、省力化機器・専用機械の設計製作、工場内配管・塗床などの工事
日本産機新聞 2025年8月5日号
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