2026年7月9日(木)

【特集:新時代の食品工場】食品産業へ提案を強化する機械工具販売店・疋田産業の取り組み

自動化の具体例を見せて課題解決の方策を提案

人が近づくと動きがスローになる協働ロボットや、軸受のキズを検査するロボット−。疋田産業は金沢ロボットセンターに計7つのロボット活用事例を展示している。中小規模の食品メーカーは生産工程における自動化の経験が少ない。そこで事例を通じてニーズをヒアリングし課題解決の方策を提案するという。営業本部FA・ロボット推進グループの見本崇部長にその狙いや今後の目標について聞いた。

営業本部 FA・ロボット推進グループの見本  崇部長

–金沢ロボットセンターの特長は。

ロボットの活用事例を展示していることです。安全柵の中で歯車のはめ合いをするロボットや、ジェンガをストッカーに積むロボットとそれを搬送するAGV。これら7つの展示は様々なケーススタディの中から最も代表的なロボット活用の事例を表現したものです。逆にフィジカルAIなど最新技術は展示していません。

–その理由は。

このセンターの主な対象利用者が中小企業のユーザーだからです。人手不足を背景に中小企業もロボットなどによる生産工程の自動化に意欲的です。しかしその経験が少ないため、現場の課題の本質を理解し、それを解決する技術を選択することができない。そこで事例に触れることで糸口を掴んでもらい易いようにしたのです。

–食品メーカーの自動化は。

特に中小規模の食品メーカーの自動化はまだまだこれからです。「切る」、「丸める」、「揃える」、「仕分ける」など人が担う作業を自動化したいというニーズは最近、増えてきました。しかし生産技術の観点から課題と自動化による効果を分析できてないことが多い。またそれに類似する導入実例が極めて少なく提案できる定型というのもない。

–ユーザーのニーズがあやふやだし、その一方それに応える自動化技術も確立されていない。

そういうことです。食品機械が担う加工や調理、充填、包装などの自動化はニーズとシーズがある程度確立されています。しかしそれ以外の人が担う工程は今なお殆どが自動化されていない。ユーザーにとっても当社にとってもそれらの工程の自動化は未開の分野。手探りで解決する方策を探すしかないのです。

–金沢ロボットセンターは解決策を探るための拠点ということですね。

ですからこのセンターにお越し頂くユーザーには「ロボットの使い方」を体感してもらうことに重点を置いています。センシング技術による検査の精度や、同じ空間で人ともに働くこと、AGVとの連携技術、それらの投資効果とコスト。体感したそうしたことをヒントに現場の課題を見つめ直してもらい、解決策をともに探しています。

人が近づくとセンサで感知し動きがスローになる協働ロボット ※動画はこちら

–このセンターに訪れるのは食品メーカーが多いですか。

いえいえ、金属加工や部品組立をはじめ様々なユーザーに利用頂いています。このセンターは2023年、北陸の中小企業の自動化支援を目的に設立しました。中小企業の競争力強化をサポートし地域産業の発展に貢献したい。今後はユーザーがロボットで持ち込み検査をできるようにするなど機能を強化していく考えです。

ロボットはユーザーニーズに応じてカスタマイズする必要があり、要素部品を取り扱う販売店の強みを生かすことができる。地方では数少ない、導入提案から設備の製造、設置、アフターサポートまで対応するシステムインテグレーターとして、人手不足に悩むユーザーの自動化や省力化をお手伝いしていきたいと思います。

疋田産業

本  社:石川県白山市旭丘4‐11

電  話:076・275・7531

代表者:疋田弘一社長

従業員:86人

事業内容:FA機器や工具、工作機械、ロボットなどの販売。

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日本産機新聞2026年5月20日号

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