2025年7月28日(月)

ユアサ商事 濱安  守常務取締役「材・工の同時供給で総合力向上」【特集:商社トップインタビュー】

人手不足や自動車の電動化など、製造業を取り巻く環境は大きく変化している。時代の変遷に対応し、販売店やユーザーをサポートするため、卸商社は独自の戦略を強化する。新商材の開拓やコト売り、デジタルツール活用や社内体制の改革など各社で事業戦略の違いが鮮明になってきている。卸商社各社の戦略や具体的な取り組み、それに注力する背景などをトップにインタビューし、その考えを読み解く。

精密板金分野も強化

濱安  守常務取締役

今年注力することは。

搬送まで含めた自動化や脱炭素提案など、ユーザーニーズがこれまでとは異なり、高度化している。周辺機器の提案でいいレベルにはない。こうしたニーズに対応できるように、商社としての本当の「総合力」を高める。

具体的には。

商材に「深さ」と「広さ」があるとしたら、商社の強みは多様な商品を扱う「広さ」にある。環境対応など1メーカーで完結できないことを多く商品やメーカーの知見を「つなぐ」ことで、高度化する課題に対応する。

それには技術やノウハウも欠かせない。

確かに自社だけで対応できない部分は増えている。最近は元自動車メーカーの技術者など高い知見を持つプロ人材を採用している。また、総合力を発揮するには「セクショナリズムの壁」を壊すことが欠かせない。2カ月に1回本部長クラスで議論する場を設けている。

何を議論するのか。

「自部署の商品を他部署に展開するにはどうすればいいか」、「成長市場に提案できることは何か」など議論を重ねている。商品を届けるトレード機能だけでは今後成り立たない。総合力を生かしたソリューション提案が必要になる。

例えばどういう形か。

「『材』『工』同時供給」をキーワードに掲げている。「材」は商材、「工」は工事を指す。例えば空調。当社の総合力を使えば、エアコンを販売するだけでなく、工事を請け負うことができるほか、太陽光パネルなどの脱炭素提案もできる。販売店も商材の提案だけでなく「コト売り」が必要になっている。材工同時供給でそれを支援したい。

メーカーの直販志向や、M&Aの活発化など、機械販売も変化している。

工作機械が工場の中心であることは変わりない。ただ、機械加工以外の分野を拡大する。その一つが精密板金分野だ。昨年資本参加したアルファTKGの板金加工向けソフトやロボット溶接ツールを活用し、板金業界のDXを支援していく。

日本産機新聞 2025年7月20日

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