2025年6月21日(土)

成長は部下と上司の共通課題 同じ目的・目標を共有する ー仕事考ー

社員指導は自分教育

会社は先輩が後輩を、上司が部下を指導する。OJTはその典型例だ。

社員の成長は、数週間、数カ月経つと成果が見えてくる。成長した人とそうでない人の差が顕著になって現れる。売り上げを上げている人とそうでない人、業務の質が向上した人とそうでない人。部下や後輩が十分に力を発揮していないとしたら、それは指導した上司や先輩の責任である。

部下が成長していないことに対して、指導に当たった上司が「彼はやる気がない」「彼には能力がない」と、自分の指導を棚に上げ、部下の能力不足や努力不足を責める人がいる。それは自分を責めているということに気付いていない。自分のことを「能力がない」と言っているのと同じで、恥ずかしいことである。部下を指導し、成長させるのは、自分自身を教育・育成することになる。

部下が成長しない、失敗ばかりするということであれば、これは「部下の課題であり部下の責任だ」と切り捨てることはできない。上司と部下の共通の課題であり、何が足りないか、どうすれば補足できるかを共有しなければならない。更に言えば、部下の成長は、部下の問題ではなく上司の問題である。上司の問題として、指導方法が間違っていたのではないか、改善する余地があるのではないか…と考えなければならない。

上司が「君はなかなか成長できていないようなので、少し話をしようか」と言ったとき、嫌がる部下がいる。上司からの威嚇としか受け止められないのかも知れない。指導していることを上司自身が実行できていない、部下の話を聞かないのなら、不信感が募る。

しかし、上司と部下の関係が良好であれば威嚇や皮肉と受け取られることはない。部下の可能性に注目し、同じ目的・目標を目指す同志として、協力し合えれば達成も可能になる。上司も部下も、一緒に仕事ができること自体に「ありがとう」の気持ちを持つことから始めよう。それがお互いを一人の人として尊重し、成長する第一歩だと思う。

日本産機新聞 2022年9月20日

[ コラム ][ 仕事考 ][ 日本産機新聞 ] カテゴリの関連記事

トークシステム 林田  哲也社長【この人に聞く2025】

今年3月、THKの子会社で伝導機商社のトークシステムの社長に就いた林田哲也氏。THK入社後すぐに、創業者の故寺町博氏の秘書を経験。その後、約20年に亘り、中国、欧州などでTHKの海外展開を担ってきた。トークシステムの社長 […]

MOLDINO 野洲工場に微細加工室新設

工具・工法の開発に活用 MOLDINO(東京都墨田区、03・6890・5101)は4月、野洲工場ソリューションセンター(滋賀県野洲市)内に微細切削加工に特化した加工室を新設した。微細加工用マシニングセンタ(MC)2台を導 […]

象印チェンブロック レバーホイスト「YAD-25」新発売

自重1・58㎏の小型軽量化を実現 象印チェンブロック(大阪府大阪狭山市、072・365、7771)はこのほど、YAD型レバーホイストシリーズに新モデルの「YAD-25」を追加し、6月1日より発売した。定格重量250㎏で標 […]

トピックス

関連サイト