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コロナやCNで変化 〜ユーザーが工具商に求めること〜
環境変化の後方支援
新型コロナウイルスの感染拡大や世界的な脱炭素化への動き、拡大し続ける半導体の需要—。取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、製造業(ユーザー)が工具商に求めることも変化している。物不足や物価高に対応し、省エネや自動化に取り組み、不透明な未来を勝ち抜く策も打たねばならない。工具商には環境の変化がもたらしたそれらの課題を解消する後方支援や助言を望んでいる。
次の展開照らす助言を
新型コロナ禍で生産体制や供給網が混乱し工具や機器、資材が不足、値上がりしている。供給網が世界で複雑に入り組み、コロナ禍が今なお世界で続く中、ユーザーが抱える不安は工具や機器の値上がりや安定して調達できるかどうかだ。
航空機エンジンのタービンブレードを手掛けるユーザーはその懸念に社内や工具商で加工用工具の在庫を増やし対応する。工具は生産活動やコストに大きく影響する。「在庫を確保し安定供給して欲しいし、市場価格が上がっても購入費を抑える提案が欲しい」という。
いまや日本の製造業の多くが世界に拠点を持ち生産活動を展開する。工具や資材調達を混乱させる外的要因は世界のどこかで起きた自然災害や貿易摩擦にも及ぶ。今ではロシアのウクライナ侵攻もその一つだ。
国内外全拠点の生産活動が滞らないように支援を望むのは自動車の内装樹脂成形部品などを手掛けるユーザー。日本や北米、アジアに複数の拠点があり自動車メーカーなどに製品を収める。工具や資材の調達は生産活動の生命線。
工具・資材の安定供給はさることながら、望むのは外的要因により変化する価格や納期の情報。いち早く情報をもらえれば早期発注や発注量の積み増しなどで緊急対応できる。生産設備にも「不具合が生じた際、メーカーとスクラムを組み早期復旧に努めて欲しい」。
コロナ禍とはいえ対面の提案活動を望むのは半導体製造装置の部品を加工するユーザー。手掛けるのはアルミやステンレスの精密部品。世界的な製造装置の需要拡大に伴い、生産計画はここ数年、年率にして約40%増えている。
生産効率や品質のカギを握るのが加工用工具。しかしコロナ禍で工具商の来訪が減った。最新の工具の情報は工具商が何より早い。効率を高めるため「自粛する中でもできるだけ対面で新たな情報を提案して欲しい」と話す。
世界で脱炭素化が課題となり製造業でもその取り組みが広がる。中でも転換期を迎えているのが自動車業界。サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル(CN:温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現を目指し各サプライヤーで取り組みが進む。
自動車外装部品のプレス金型を手掛けるユーザーも生産活動のCO2排出量低減を進める。電気使用量×使用時間でCO2排出量を換算し、それを抑えるため省エネ化や生産効率改善に取り組む。
そこで工具商に求めるのがハイパワーで省エネの電動グラインダや耐久性の高い切削工具の提案。エア工具と同等の性能の省電力タイプに切り替える。工具交換の回数を減らして加工する。それにより「電気消費量を抑え、CO2排出量も減らせる」。
ネット販売の利用の広がりも大きな変化をもたらした。ネットで多くの工具や機器の情報を知ることができるようになった。しかし今も変わらず工具商を頼りにしているのが「経営や事業展開のアドバイザーとしての役割」だ。
自動車の鍛造金型などを手掛けるユーザーはリーマン・ショック(2008年)以降、工具や資材の調達コストを抑えるためEコマースでの購入を増やした。しかし工具商との取引は今なお続いている。
工具商に期待するのは「経営に影響する情報」。工具や資材の値上がり、品不足、その代替商品、調達できるルート。自動車業界の動きや、様々な企業の取り組み、経営方針。そうした「多種多様な企業と取引する工具商にしか手にできない情報を教えて欲しい」。
「当社にマッチする工具や設備の情報が欲しい」というのは自動車部品の切削加工を手掛けるユーザー。数年前までは事業の内容や方針を良く知り、それに合う情報を足しげく通い提案してくれた。それが工具商と取引するメリットだと今も感じている。
しかし最近の営業担当者とは話す機会もなく工具の売買でしかつながりがない。「もっとコミュニケーションを取りたいし、ユーザーを喜ばせる、成長させる提案をして欲しい。互いに成長を分かち合えるウインウインの関係を築きたい」。
日本産機新聞 2022年4月5日
TONEは、本社を同社最大拠点である河内長野工場に統合、移転した。9月26日から業務を開始した。 今回の統合により、開発、製造、営業企画、品質保証、管理の各部門と経営を一体化。部門間のコミュニケーション向上を図り、一層綿 […]
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