2022年10月1日(土)

この人に聞く −三菱電機 産業メカトロニクス事業部長 清水 則 氏 −

AI、IoTを活用

 高精度、高性能な放電加工機で金型産業に貢献してきた三菱電機(東京都千代田区、03-3218-2111)。近年は、機械だけでなく、遠隔地からのメンテナンスサービスやAI技術の活用など金型づくりの高度化に対応するサービスやソリューションも提供している。昨年4月、産業メカトロニクス事業部長に就任した清水則之氏に注力する製品やサービス、今後の展開などを聞いた。

しみず・のりゆき  1962年生まれ、東京都出身。86年成蹊大学卒業後、三菱電機入社。主にFA機器関連の営業を担当し、2012年から3年間インドに駐在、インド市場の開拓に尽力した。15年FA海外事業部長、20年4月産業メカトロニクス事業部長に就任し、現在に至る。

生産性高めるサービス提供

現在の日本の金型業界をどう捉えているか。

 世界に負けない高い技術を持っており、まだまだ伸びる要素があると感じている。一方で、熟練作業者の減少が課題となっている。機械メーカーとしては、AIやIoTなどの次世代技術を活用したサービスやソリューションを提供し、金型技術者を支援していきたい。

具体的には。

 一つはリモートサービス「iQ Care Remote4U(アイキューケアリモートフォーユー)」。加工機をリモート診断することで、不具合を未然に防ぐことができ、生産性の向上につなげることができる。今回の“コロナ禍”で、その必要性が一層高まっており、立ち上げ時の機械のチューニングや加工条件の設定などコンテンツの拡充を進めている。昨年10月からはサービスメニューをフルオプション化したプランの1年間の無償提供も開始している。

AIの活用はどうか。

 加工条件の設定は人によるところが大きい。当社独自のAI技術「Maisart(マイサート)」によって、自動で加工条件を調節できるようにすることで、加工時間の短縮や加工品質の向上につなげることができる。今後は、AIの精度や速度の向上に取り組むほか、現在の形彫放電加工機だけでなく、ワイヤ放電加工機への展開も検討している。

その他には。

 機械単体ではなく、工場全体で稼働率を向上させるためのソリューションの提案に注力している。特にロボットや自律走行搬送ロボット(AMR)を活用した自動化、省人化の提案などに取り組んでいる。

放電加工機の進化は。

 成長分野として期待される「EV」や「5G」関連の金型は、加工精度の要求レベルも高い。こうしたニーズに対応するためには、機械のさらなる高精度化も図っていかなければならない。当社の強みである制御技術に加え、ベッドやガイドなど機械構造も強化し、ハード面でも高精度対応していく。将来的には、放電加工でもサブミクロンレベルの加工精度を達成することを目指している。

今後の展開は。

 機械の導入から稼働、保守、更新までのライフサイクル全体で顧客に貢献できるサービスを提供していきたいと考えている。こうしたサービスやソリューション、製品を通じ、今後も日本の金型メーカーが世界で勝つための手助けをしていく。

日本産機新聞 2021年3月5日

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