2026年2月18日(水)

菱和 ECサイト武器に強みを磨く

研磨材のドクターに

研磨材専門商社の菱和(大阪市西区、06・6538・0271)は昨年6月、ECサイト「R-GEAR」を立ち上げ、販売店の利便性向上と業務効率の改善を加速させている。同サイトは研磨材関連に特化しているのが強みで、受発注や在庫確認、商品検索などができる。ただ、真の狙いはネット通販の強化ではない。サイト利用を促すことで、入力作業などの浮いた時間を提案や相談に充て「研磨材に関するドクター」となり、現場を支援することにある。

ECサイトのプロジェクトを立ち上げたのが2022年。人手不足が加速する中で、少ない人数で業務を運営する必要があることや、収益向上を目的としてスタートした。

提案や相談時間を増やす

しかし、真の狙いは強みを磨くためだ。プロジェクトを始動させた当時の塩田祐二元社長は「『当社の強みは研磨材に関する豊富な知見。それを生かすにはもっとお客様との接点を増やす必要がある。そのために、業務の効率を改善しなければならない』と話していた」(實藤幸子取締役)。 

こうして立ち上げたR-GEARのコンセプトは「動くカタログ」。常に最新の情報が載り、営業担当者が薦めなくても、顧客が自ら商品を探せるサイトにすることだ。特長は研磨材に特化している点。掲載アイテムは研磨材を中心に約4万点強で、ユーザーごとに指定される特殊品の発注も可能にした。誰でも閲覧できるが、発注できるのは登録販売店約4000社のみ。販売店ごとで異なる購入価格も、基本的には個別に表示できる。

實藤幸子取締役

販売店の利便性を高めた結果、開設1年半でEC受注率は約3割にまで高まっている。一方、EC受注率の向上は菱和での入力作業を販売店に担ってもらっているとも言える。販売店への還元策の一つとして、商品一個でも送料は無料とした。

また、同サイトの特長は約1年で開設した立ち上げまでの速さだ。實藤氏は「システム会社の協力がなければ不可能だった」と話す。全面協力したのはフューチャーワン(東京都品川区)。同社の基幹情報システム「インフィニワン」を導入すると同時に、ECサイト構築も同社が担当した。「両方を1社で手掛けてもらえたので、短時間で立ち上げることができた」(實藤氏)。

例えばECサイトの肝の一つである在庫照会。同社には全国に6つの在庫センターがある。最寄りの在庫センターから商品を引き充てる仕組みだが、該当商品が最寄りのセンターにない場合、別のセンターに問い合わせ、在庫の有無を確認するなどの作業が必要だった。

6つあるセンターの在庫管理もインフィニワンの機能で統合した。結果、在庫ヒット率はもとより、センター間での問い合わせが不要になり「300時間以上の改善につながった」(實藤氏)。在庫に限らず、機能強化をECサイト側に即座に反映させたことで、早期の立ち上げができたという。

1年半でEC受注率を3割まで高めるなど、業務効率の改善は進んでいる。しかし、「価格表記など改善の余地はある。もっと利便性を高め、販売店の利用をもっと増やしていく」(實藤氏)考えだ。

今後について「サイト利用率を高めることで、営業担当が顧客と接点を持てる時間を増やしていく。そして、メーカーの製品ごとの特長を明確に捉え、ユーザーに的確なアドバイスや製品選定を提案する『研磨材のドクター』を目指したい」。

会社概要

  • 本社:大阪市西区北堀江1-22-10
  • 電話:06・6538・0271
  • 従業員数:138人
  • 創業:1967年
  • 業務内容:工業用研磨材や関連機器工具の卸販売など。

日本産機新聞 2024年12月20日

 

 

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