2022年12月5日(月)

広がる自動化の波 −研磨、バリ取り、測定など 適用領域が拡大–

 機械加工だけでなく、研磨やバリ取り、測定など自動化の領域が広がっている。ロボットや無人搬送車(AGV)、人工知能(AI)などの技術が進化しているためだ。AGVを使ったワーク搬送やロボットによるバリ取りや研磨、AIを使った測定の自動化など、これまで難しいとされてきた分野の自動化に取り組む企業が増えている。さらに無人化が進めば、稼働を止めないために監視が必要なIoT技術が必要になるなど、新たな需要が生まれる可能性が高い。

 「少子化で採用が難しくなっている上、働き方改革で労働時間が短くなる。これらを解決するには自動化は避けて通れない」。「技能者が高齢化し、今のうちに機械化や自動化を進めないと競争力を維持できない」—。日本の製造業の自動化はまさに待ったなしの状況だ。

 実際にユーザーの現場では、自動化が急ピッチで進められている。特に最近では、機械加工だけでなく、これまで難しいとされてきた研磨やバリ取り、測定工程などの領域でも自動化する動きが出てきている。ロボットやAGV、AIなどの技術が進化し、現場に実装できるようになってきためだ。

 例えばワークの搬送。冷間圧造用金型を手掛ける三豊機工(愛知県)の鹿児島工場では、5台のAGVが10棟の工場間を駆け回る。AGVにモノを運ばせ、人を仕事に専念させることで、稼働率の向上につなげている。

 磨きやバリ取りも自動化が進化している分野だ。サニタリーバルブなど工場配管を手掛ける大阪サニタリー(大阪府)の栃木工場では、研磨工程の自動化に取り組む。カメラとAIを使い、ロボットの動きを制御することで、多種多様なワークの研磨を可能にする。

 バリ取り専業メーカーの藤本工業(静岡県)もロボットを活用し、バリ取り作業の自動化を進める。プレス機でバリを均一化させてからロボットにバリ取りをさせるなど工夫を凝らし、人と機械の融合を図っている。

 加工から測定までの自動化に取り組むのは、半導体部品などを製造する公精プラント(長崎県)だ。ロボットに加工後のワークを持たせ、カメラとAIで切粉の付着を認識し、エアブローで取り除く。切削液の除去から3次元測定までロボットで行う。

 このように自動化できる領域は拡大しているが、進化の途中だ。

 機械加工の自動化を進める、医療機器部品の和田機械製作所(静岡県)の和田修平社長は次のように指摘する。「無人化が進み、人がいない状況で機械トラブルは致命的。今後IoT技術を活用した監視が必要になる」。

 自動化が進めば進むほど、IoT技術を含め、新たな技術や需要が生まれる可能性が高い。

日本産機新聞 2020年10月20日

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