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付加価値高まる金型
金型の付加価値が上がっている。経済産業省の機械統計によると、金型の生産金額はリーマンショック以降の過去10年、ほぼ右肩上がりで回復した。一方、数量で見ると11年を境に減少が続いており、金型1型当たりの付加価値額は上がっている(グラフ)。金型が精密になったり、複雑化したり、大型化したりするなど「難しい金型が増えた」(ある樹脂型メーカー)からだ。次世代自動車の台頭で軽量化ニーズが高まり、新素材や新工法が開発されていることもこれに拍車をかけている。ただ、高付加価値=難しい金型であることから、高度化する金型づくりへの対応が課題となっている。
日本の金型の生産額と数量の推移(経済産業省機械統計より)

大型、精密、新素材 高度化する型づくり
経産省の機械統計によると、2018年の金型の生産額は3981億円だった。前年と比べると微減となっているが、約4千億円を維持。型種でばらつきもあるが、鍛造型やダイカスト型はリーマン・ショック(08年)前を上回るなど、10年以降回復を続けてきた。
一方、数量(組数)で見ると世界が一変する。11年をピークに下がりが続けている。生産額と数量の反比例の関係が示すのは、金型の1型当たりの価値が上がっているということだ。
日本に残る金型が難しくなっているのが理由の一つだ。ある樹脂型メーカーは「複数の部品を一体で成形するため金型が大きくなった。しかし精度は同じか、むしろ高くなっている」と話す。
順送プレス型メーカーでも「部品が複雑になり、工程が増え、金型が大型化している」。ある樹脂型メーカー社長は「肌感覚だが以前は仕事のうち難しい金型は3割程度だったが、今は7割以上が難しいもの」という。
電気自動車(EV)の登場などで、軽量化に対するニーズの高まりも金型を難しくしている。新素材や新工法が相次いで登場しているからだ。
例えばトヨタのプリウスPHVのバックパネルへの採用で注目を集めた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)。ある金型メーカーは「構造部品でも着実にCFRPは増えている」という。
鉄より軽いアルミの増加や、耐熱性が高く成形が難しい樹脂などが、金型づくりを複雑にしている。加熱した鋼板を金型で冷やしながら成形するホットスタンプ(熱間プレス)という工法も登場し、それに対応する金型も今後必要になる。
先の樹脂型メーカー社長は言う。「難しくなることで価格が上がることもある。しかしそれに対応するだけの投資も必要で、採算を取るのが難しくなっている面も否めない」。価値は高くなっているが、高度化への対応も課題になっている。
日本産機新聞2019年3月1日号
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