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【ユーザー@インタビュー】共栄化学工業
アクリル軸に新規事業 消耗品は価格より性能
ユーザー@インタビュー file1
共栄化学工業 取締役 藤田 圭輔氏
大阪府八尾市にある共栄化学工業は、NC切削加工機(4軸、8軸、12軸)やマシニングセンタを活用して、アクリル板の加工を行っている企業。営業はインターネットのみのため、個人客からの注文が多く、取締役の藤田圭輔氏は「個人のお客さんの要望にあった製品を予算に収まるよう提案している」とし、受注生産へのこだわりを語った。社内ベンチャーも積極的に展開している同社の事業内容、機械や工具などの購入基準、展望などについてうかがった。

「前身は樹脂の再生加工業だが、現在はアクリル板の加工をベースに事業展開している。人工衛星・はやぶさ2号機の燃料タンクのデモ機や、自動車シートのリクライニングのワイヤー機構を可視化したディスプレイの製作などの実績もある。一方で、営業はインターネットのみのため、個人のお客さんからの注文がウエイトを占めている。なので、量産品よりも、受注生産にこだわった製品づくりをしている」。
「当然ながら個人のお客さんは、予算に対しイメージがわきにくいので、お客さんのつくりたいものが希望金額内に収まるようコーディネートしている。デザイン画、図面を送ってもらったあと、コストを抑えた材料、形状などを提案しつつも、付加価値の高い製品を提供できるよう心掛けている」。

ー機械購入の基準や販売店との付き合いは?
「購入の基準にしているのは、内製化に合わせての機械導入だ。以前まで、レーザー加工は協力会社に請け負ってもらっていたが、当社でも製造しようとなり、加工機を1台購入した」。
「刃物に関しても、当社の要望にどれだけ応えてくれるかといった関係性である。例として、刃物1本にしても、値段勝負ではない。プラスチック用の切削工具も、最初は刃を2本焼付けた両刃で、小さい製品だと削った瞬間、飛んでしまい、不良品となってしまうことがあった。その後、要望を出し、欠品が少しでも出ない形状に変えてもらった。消耗品は、仮に500円高くなったらその分長く使うではなく、『切れるか切れないか』が重要だと考えている。メーカーとは、何でも言い合える関係性が大切だと思う」。

ー展望について。
「新規事業では、アクリルでつくったアクセサリーをハンドメイドサイトに出店して販売したりしている。また、起業したアクリル運動部も、アクリル製品の提案を軸に、派生型の営業を行い、スポーツに付随した商品として、タオルやTシャツなど、新たな仕事を獲得している。新しいことにチャレンジできる環境は、社員にとっても魅力あるものと考えているため、本業だけでなく様々なことに挑戦している」。
会社概要
住所:大阪府八尾市山賀町4‐63
代表取締役:稲垣圭悟氏
設立:昭和34年7月
従業員:15人
日本産機新聞 平成30年(2018年)2月5日号
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