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機械工具商社9社の
2017年3月期決算
4社が増収増益
機械工具上場商社9社の2017年3月期決算が出そろった(トラスコ中山は2017年1-3月期決算)。4社が増収を確保し、5社が減収となったが、上期のマイマスを下期以降の回復で吸収し、減少も小幅におさまった。その回復は力強さを増している。半導体や建機は復活し、海外でも電子機器製造受託サービス(EMS)を中心とした中国の投資も活発となっていることなどから、通期では全社が増収を見込む。さらに、ロボットをはじめとする自動化関連も成長市場として期待されており、エンジニアリング機能を強化する企業も多く、自動化投資を取り込む動きも本格化している。
自動化・ロボの需要開拓
2017年3月期の二四半期決算ではトラスコ中山と日伝を除く7社が減収だったが、通期決算ではユアサ商事と杉本商事は増収まで回復。減収となった企業も大半がマイナス幅を縮小し、微減の水準まで戻した。
上期がマイナス基調だったのは、補助金の採択待ちによる工作機械の受注減やEMSを中心とした中国市場の減速などで、工作機械を中心にマイナスとなったためだ。ただ、ある工作機械メーカー幹部は「対前年比で減少したが、低い水準ではなかった」。
一方で、下期に入ると回復が力強くなった。工作機械の3月の受注額は過去10年で3番目に高い1426億円を記録。半導体も好調で、日本半導体業界製造装置協会によると、3月の販売額は前年比39.5%増の1623億円となった。
自動車向けが堅調を維持したほか、IoT関連向けで半導体需要が拡大し、外需でも中国のEMS関連が急激に回復したためだ。こうした動きに合わせ工具や機器の需要も拡大。切削工具に強い商社は「過去10年で最大の売上高を記録するなど好調を持続した」。
この回復基調は今期も継続するとの見方が多い。18年3月期の通期予想では、大阪工機は最も強気で10%増を見込むほか、自動化やIoT関連の需要を開拓する日伝も9%近い伸びを予想している。山善も中国のEMSやIT業界の回復などを背景に7.2%増加するとみる。トラスコ中山では、ネット通販向けなどの拡大で6.2%増加する見込みだ。
エンジ機能を強化
さらに、近年目立つのが成長している自動化投資の需要を掴む動きだ。働き方改革や少子高齢化に伴う人員不足で自動化投資は活性化している。日本ロボット工業会は17年の出荷予想を7500億円に上方修正しており、近いうちにロボットは1兆円産業になるのは間違いなく、魅力的な市場だ」。
多くの商社がそうした需要確保に動く。山善や日伝はシステムインテグレーター(SI)を子会社化。フルサト工業もSIに資本参加し、テクニカルセンターも立ち上げた。ユアサ商事もエンジニアリング企業を立ち上げ、NaITOもバリ取りなど得意分野を生かしロボットの拡販を狙うなど、需要確保に向けた動きが本格化している。
日本産機新聞 平成29年(2017年)5月25日号
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