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機械受注に力強さ
日本工作機械工業会(花木義麿会長)などの各団体の統計によると、2014年度上期の受注状況はおおむね好調に推移した。工作機械は4―9月の対前年同期比で約3割超増加。超硬切削工具は4―8月で14%伸びたほか、ツーリングなどの工作機器でも18%増を記録した。補助金や設備投資減税などの追い風に加え、自動車をはじめとするユーザー企業も堅調を維持したためだ。下期以降についても、設備投資減税が継続するほか、マイナスの要素は少ないとも見方が多い。
日本工作機械工業会の統計によると、4―9月期の受注総額は7615億円と対前年同期比で33・9%増加した。内需だけでも2480億円と24・5%の伸びを記録。外需はそれを大きく上回り5134億円と41%増となった。
工作機械が製造業の先行指標とされるが、工場の稼働率など示す現行指標とされる切削工具も好調を維持。超硬工具協会(増田照彦理事長)の統計では、耐摩耗工具などを除く、切削工具に限定してみても4―8月の生産額は999億円と前年同期比で14・2%増を記録している。また、ツーリング、ボールねじ、直動機器などを扱う日本工作機器工業会(寺町彰博理事長)の統計でも4―8月期で586億円と18%増となった。
期初の段階では消費税増税によるマイナス影響を懸念する声も多かったが、第一四半期は「想定の範囲内」(工具商社幹部)で乗り切った。特に工作機械でのマイナス影響を軽減したのが、ものづくり補助金や100%減価償却できる設備投資補助金だ。5月や6月以降には「明らかに補助金とわかる案件が目立った」(ある機械商社)という声が多かった。
設備投資が好調を維持する一方で、足元の稼働状況を示す工具や機器なども堅調に推移。「やはり最大の需要家である自動車業界が堅調だったことが大きい」(ある切削工具メーカー幹部)という。また、「工作機械向けの需要増に加え、スマートフォン(スマホ)をはじめとするエレクトロニクスも比較的堅調」(工作機器メーカー)とするなど、ユーザー企業の堅調さが受注を下支えした。
下期以降については、円安や政治的なリスクなどの不安要素はあるものの強気な見通しが多い。工作機械については、国内の設備投資減税は継続し、海外も北米を中心にけん引役となる地域が多い。日工会でも国内に関して「大手の動きが中小に波及しつつあり、下期も期待できる」としている。また、ある伝導機商社幹部も「一般消費の減速など気になることはあるが、生産財については、マイナス要素はない。今のような状況で推移する」と見ており、好調だった上期レベルを維持する見方が大半だ。
日本産機新聞 平成26年(2014年)10月25日号
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