2024年3月28日(木)

メカトロテック 最新技術が競演

自動車、航空機、軽量化の加工技術

一段と高精度、自動化

 メカトロテックの展示の特長のひとつが、毎回自動車、航空機などテーマを掲げ、それらを深く掘り下げた製品や加工技術が見学できること。今回も多くのメーカーがテーマに沿った展示を行う。自動車、航空機、軽量化というテーマをキーワードに、切削や研削などの加工別に見どころをまとめた。

会場マップ1号館
会場マップ2号館
会場マップ3号館

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難削材工具の新型

工程集約、多機能化
難削材対応のチップも
 旋削加工では、高速、自動化、高機能化が進む。機械では旋盤系の複合加工機の展示が目立つほか、CNC旋盤では2スピンドルタイプで、高機能化を実現した機種や、自動化、工程集約に対応できる機械が出品される。大型部品をターゲットにした立旋盤や自動車部品加工の幅広いニーズに対応した汎用性の高い旋盤も展示される。
治工具や機器も充実。高精度に加工ができるデザインチャックや特殊対応の治工具な幅広いニーズに応える製品が目白押しだ。チップでは耐熱合金、難削材に対応する新製品が登場。CBNやダイヤモンドなどの工具も充実している。

5軸MCなど高効率化
新素材向けのエンドミル
 ミーリングでは5軸制御マシニングセンタの進化に注目だ。熱変位補正など3軸並みの加工精度を実現した機種などが出品される。大物加工に対応する大型機械のほか、微細加工向けではリニア駆動を採用するなど、より高精度化が進む。
切削工具は新素材向けの加工用工具が目立つ。チタンやCFRPなど難削材に対応したエンドミルなどが出品される。また、カスタマイズに対応する工具メーカーの出展も多い。

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進む機械の知能化

チタンなど難削の穴あけ
バリ取りの自動化提案も
 切削加工の中で最も多いとされるドリル加工でも多様な製品が出そろう。CFRPやチタン専用などの難削材対応のドリルが目立つほか、深穴加工や微細穴あけ加工を効率的に行う製品も多い。
タップやリーマでも最新工具が登場。タップとドリルを組み合わせ最適な穴加工を提案するメーカーやオイルホール付の特殊リーマなども紹介される。高速・長寿命・高品位のめねじ加工できるタップなどねじ加工の効率化も提案される。
切削につきもののバリ。機上でバリ取りができる装置や自動化につながる提案、様々なバリ取り工具が初回される。

進む知能化、特殊な加工
 知能化技術や制御装置などソフト面の進化もおさえておきたい。スマホやタブレット端末のように直感的に使いやすいなった新型の制御装置やオペレーティングシステムも数多く出展されるので見ておきたい。自動車部品加工向けの専用機の展示が多いのも同展ならでは。また、歯車加工専用機を使わないスカイビング加工を提案するメーカーも出展する。

研削は高能率化と自動化
 研削は高能率化や自動化がテーマだ。高能率化では、平面研削盤で送り速度などを大きくし、加工時間の短縮化が提案される。剛性の高い機械に新型のクーラント装置や研削力の高い砥石を組み合わせるなど様々な方法で高能率加工が紹介される。自動化では、機上測定を搭載した成形研削盤やロボットと組み合わせ、無人加工できる工具研削盤などが出品される。

放電は大物を高精度に
 ワイヤも型彫放電加工機のトレンドは高速、高精度に加え大型化だ。大型加工機は高精度加工が難しいとされてきたが、大型や長尺ワークでも精度よく加工できるワイヤ放電加工機が出展される。より高精度加工を可能にするリニアモータ駆動搭載の機種なども紹介される予定だ。

高度化する非接触測定
 測定技術の進化にも注目したい。今回も効率良く測定工程を進めることができる非接触式の製品が多い。指針式の100倍以上の速度で測れる3次元表面粗さ測定機や、多数個の部品を1度で測定できる画像測定機、自動車のボディの形状をレーザーで測る大型計測機などが出品される。
機上測定もはずせない。無線技術で精度が上がった工作機械用プローブのほか、機械の挙動をレーザーやカメラで監視し、より高精度な加工を実現するモニタリングシステムも登場する。3次元測定機の測定プログラムを自動で生成できるソフトウェアも見どころだ。

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3Dプリンタの進化に注目

進化する3D技術
 3Dデジタル技術を駆使したものづくりが進化している。なかでも象徴的なのが3Dプリンタだ。今回も複数出展され、付加価値の高い航空機部品や金型等への応用を提案する。また、デジタルスキャニングを活用したリバースデータエンジニアリングや、3Dプロジェクションによるガイドシステムも展示されるなど、3D技術を活かしたものづくりは見逃せない。

ロボットの活用事例
段取りレスの新提案
 自動化ラインやロボットの提案も目立つ。搬入搬出装置とプレス機を組み合わせた自動化ラインや、自動化に最適なチャッキングシステムによる自動車部品加工のラインなどが披露される。
ロボット技術も進化。ロボットを活用した自動化ラインや、計測工程にロボットを組み込むなどの事例が紹介される。自動化を構成する上で不可欠な部品や、直動機器なども環境対応、静音化も着実に進化を遂げている。
 自動化やロボットだけでなく、細やかな改善につながる「段取りレス」もテーマのひとつ。治具の位置決めを工夫したり、特殊治工具を活かしたり、加工効率向上の提案も見どころのひとつだ。

用途広がるファイバーレーザー
 ファイバーレーザーの高出力化と高信頼性など性能が向上したことで、加工領域も広がっている。薄板から厚板まで、高速で高精度加工できたり非鉄金属の加工もできたり、用途は拡大している。その技術は抑えておきたい。

作業効率化や環境改善も
 現場改善に役立つ製品も見どころのひとつだ。伝達効率や安全性に優れた搬送装置や部品、高効率なモータを搭載し低振動低騒音な作業工具など、作業者の安全面を考えた製品が出品される。ミストコレクターやクリーナーなど環境対策機器のニーズも高く、そうした機器の出展も多く見られる。
 こうした現場改善の展示は1号館に多い。それぞれの課題解決に合った製品や提案が見つかるはずだ。

日本産機新聞 平成27年(2015年)10月15日号

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