2020年10月29日(木)

商社の挑戦 池田金属工業 ㊤

ねじのおもしろ講座で解決策

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ユーザーの課題に応える

 ねじの専門商社・池田金属工業(大阪市西区、06・6538・2671)が、ユーザーが抱えるねじの課題に応える活動に力を入れている。「タッピンねじの締付トルク」や「ねじのゆるみ」といった生産現場の課題を吸い上げて、セミナーや独自商品で解決方法を導き出す。卸売りが主体だが、ユーザー密着の提案活動で潜在する需要を掘り起こしている。

 ギューン―。池田金属工業の本社セミナールームにユンカー式振動試験機が発する金属音が鳴り響く。
行われているのは様々なゆるみ止め製品の効果を比較するデモンストレーション。ユンカー式振動試験機に同じ締付力で(軸力)で固定されたねじが、振動でゆるむところをリアルタイムで計測していく。
デモをしたノルトロックジャパンの相馬氏は「トルクをかけても軸力が高まるとは限らない。ナットやボルトそれぞれの特性を把握したうえで適正な締め付けをすることが大切」と説明した。
これは池田金属工業が主催するユーザー対象の「なるほど!ねじのおもしろ講座 ねじのゆるみ」。デモのほかにも同社の営業社員が講師になり、ねじの規格や種類、材質、適切な使い方、正しいタッピンねじの選定方法を説明。さらに製造方法や世界の産地、日本への供給ネットワークなども紹介する。
講座の目的はユーザーにねじの知識を深めてもらうこと。運営をまとめる砂邊康之氏(商品開発チーム)は「ユーザー様はゆるみや締付に関して様々な問題を抱えている。講座で課題解決のヒントを少しでもつかんでもらえれば」と話す。

 講座を始めたのは今から15年前、懇意にしているねじメーカーの社長に提案されたのがきっかけだ。当時の同社はねじの販売店に商品をPRしたり、引き合いに応えたりする販売活動が主体。取扱商品も国内有力メーカーから仕入れるものの、ほかの商社と特長で大きな差はなかった。
 製造業の海外移転が進み、ねじの国内市場の成長が鈍るなか、「特色のない商品展開で、注文に応えるだけの『要望対応型』の事業スタイルでは競争を勝ち抜くのは難しい」(山崎龍彦営業部長)。そんな危機感から山崎部長や砂邊氏が中心になり、自前の講座開催に乗り出した。
 とはいえ初めは難航した。メーカーの社長に指導を受け、講座のテーマを決めてユーザーに参加を呼び掛けるが、参加者はなかなか集まらない。講演のやり方も不慣れで内容をうまく伝えられない。過去には参加者が数名というときもあった。

日本産機新聞 平成26年(2014年)9月15日号

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