2026年9月16日(水)

全機工連 機工商の意識調査

成長へ、浮かぶ課題

 全日本機械工具商連合会(全機工連)はこのほど、「機械工具商の実態と経営者の意識調査」の結果を公表した。高齢化と後継者不足、ネット販売の台頭やチャネルの変化などの課題を抱える一方、多角化や専門化、地域密着など、各社各様の視点から課題を克服し、生き残り戦略を模索する姿が浮き彫りとなった。

抱える課題

  • ■高齢化
  • ■後継者不足
  • ■ネット販売

勝ち残る次の戦略

  • □多角化
  • □専門化
  • □地域密着

 業界での大きな課題が高齢化と事業継承だ。調査でも社長の平均年齢は59・7歳で、60代が35%と最も多く、高齢化が進んでいることがわかる。従業員も同様で40~50歳が48・6%と最も多い。後継問題では、「後継者が決まっている」と回答した企業は46・2%で、半数以上がまだ決まっていない。

 インターネット通販を脅威とする声も多い。「脅威」、「どちらかと言えば脅威」を合わせると72・9%で危機感は高い。一方、「ネットで顧客満足が得られる」との回答は44・1%で半数に満たず、顧客満足向上が対面商売の強みと考えている。

 流通チャネルの変化を危惧する声も多い。「直需商社のメーカーからの直接仕入れが増えている」が56・8%、「卸商社の直需販売が増える」との回答は74・1%に上る。こうした動きを反映して、7割近い人が「直需商社や卸商社の再編が増える」とみている。

 こうした課題に直面して、各社各様の生き残り戦略を模索している。

 方策のひとつが多角化だが、レポートでは大きく二つに分類している。取扱品や分野の拡大を図る「水平的多角化」と、取扱品目の加工や工事などを行う「垂直的多角化」だ。この二つを志向するとした回答は約7割に上り、幅広いサービス展開を考えている。

 ネット販売への対応では「ユーザーとのあうんの呼吸」、「技術を売り込む営業」、「得意先との連続性のあるコミュニケーション」などが挙げられた。「多角化よりも専門化」という声も。

 地域密着戦略も一つだ。地域に根差し「ものづくりのアドバイザー・コンサルタント的存在を目指す」声や「それを強みに価格競争の回避につなげる」も挙がっている。

 これらの戦略を進めるには人材が不可欠との認識も共通している。生き残りに必要な要素はとの問いに対し「人材育成」の25%が最も多いこともそれを裏付ける。求める人材像は「セールスエンジニア」や「得意分野のアプリケーション提案できる人」などだが、組合のサポートや国の助成、外部機関の活用なども含め「実務的な訓練」が大切と指摘している。

 調査報告では、「顧客のニーズに応じて、高度化、専門化された技術や知識を総合的に提供することが重要。顧客満足を高める総合力を強化し、顧客からの信頼を獲得できれば、生き残りが可能」と分析し、「その上で拡大戦略として水平的多角化や垂直的多角化のような大胆な改革も求められている」と提言している。

 アンケートは平成25年8月から同26年1月までの期間で実施し、会員企業1644社中のうち1423社に対して実施。686社から回答を得た(有効回答率は48.2%)。大阪府立大学(当時)上野恭裕教授の協力を得て調査・分析した。同レポートでは、課題や将来への展望のほかに、組合への要望などもまとめられている。

日本産機新聞 平成27年(2015年)6月15日号

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