2021年7月28日(水)

この人に聞く2015
三菱日立ツール 増田 照彦社長

「尖った製品」の開発に力

ものに心あると思え

増田照彦社長_R

豊かな心が良き製品生む

「総合的な製品を揃える『ミニ三菱マテリアル』を目指すつもりはない」と話すのは、三菱日立ツール(旧日立ツール)の増田照彦社長。独自のコーティング技術や金型向けで圧倒的な地位をもつソリッドエンドミルなど「尖がった」製品開発に磨きをかける。加えて。在庫の拡充や人がより力を発揮できる会社づくりを目指す考えだ。

 増田社長は、「日立ツールと三菱マテリアルを比べたとき、チップでの売上規模は1対10だが、ソリッドエンドミルでは1対1、もしくはそれ以上になる。これは圧倒的にその分野での技術開発力が抜きんでている証拠だ」と、「開発技術」を追求してきた同社の強みを話す。

 その特長は、最近打ち出した「Hi-Pre2」という新コンセプトにも表れている。このコンセプトは、荒加工から高精度を追求することで、最終的な品質の向上や加工時間の短縮に繋がるというものだ。荒工程ではスピードが重視されがちななかで、提案の側面でも他メーカーとは一線を画している。

 こうしたある種の「尖がり」を、三菱マテリアル時代から強く尊敬していたという。「この『尖がり』をさらに磨き上げていくことが自分の役目。決してこの部分を丸めてはいけない」とあくまで方向性や流通体制は今まで通り変えない考えを強調する。

 そのなかでも、さらなる成長を目指すために、「在庫が切れてて、商品が出荷できないでは信頼を得られない」と商品によっては20%のバッファを持たせるなど在庫補充率を上げる投資をしていく。また、開発力向上のための設備投資にも前向きな姿勢を見せる。

 一方で、製品を作り、届ける「人」も重要だ。「ものに心ありて、まして人」という言葉を増田社長は大切にしている。「ものに心があると思えば、自然と丁寧に扱うようになる。開発、製造、営業がそうした心を持つことで、人も製品も輝きはじめ、本当に良いものが届けられるはず」と全ての人が最大限に力を発揮できる会社を目指していく。


1952年生まれ、75年上智大学外国語学部卒業後、三菱金属(現三菱マテリアル)入社、2009年執行役員、13年常務執行役員兼加工事業カンパニープレジデント、15年4月から現職。和歌山県出身。


日本産機新聞 平成27年(2015年)6月15日号

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