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視座を変える【現場考】
未来の空想や過去に学ぶ
理想と現実のはざまで悩むリーダーや管理職は多い。売上目標を達成したいが、利益率の低い案件を受注していいか。後輩や部下にアドバイスする際に強く言うべきか、優しく諭すべきか。
中間管理職ですら日々の業務で悩むのだから、経営層であれば、より悩みは深く、判断は難しくなる。判断一つが経営を揺るがしかねないからだ。先の見えない状況が続く中、経営者は迷った時にどう考えるのか。若い二人の経営者に聞いた。
30代で経営者としてリーマンショックを経験し、現在40代半ばのメーカーの社長は「30年後の未来を想像する」という。リーマンショック時は「課題噴出で何をしてもうまくいかない。先行きも見えない」と悩んでばかりいたと振り返る。
先輩経営者から「経営者人生は長いのだかもっと先を考えてみては」とアドバイスを受け「30年後の未来がどうなっているか想像してみた」。その時確実だと思えた未来は「人手不足」。その時に自社は何ができるか。人材不足への対応を経営の軸に据えると、色んなものがクリアになり判断しやすくなったという。
別の30代の商社幹部は「過去に学ぶ」という。同社には創業以来何十年という経営指標が残っているという。過去の損益計算書、貸借対照表などの数字はもとより、給与体系や組織の変更など「当時の経営陣の悩みが手に取るように分かる資料」だそうだ。
「悩んだ時にはそれを眺める。現在と経済環境などが異なるし、全てが参考になるわけではない。しかし、過去の経営者の視点を持つと判断の参考になることも多い」。
経営者と管理職では悩む問題や大きさは異なる。しかし、迷いが生じることがあるのは同じだ。今だけを見ると悩みも深くなる。未来を空想してもいいし、過去から学んでもいい。迷った時だけでなく、常に視座を変え、ベターを選択することを心掛けたい。
日本産機新聞2025年8月20日号
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