2025年11月8日(土)

成長は部下と上司の共通課題 同じ目的・目標を共有する ー仕事考ー

社員指導は自分教育

会社は先輩が後輩を、上司が部下を指導する。OJTはその典型例だ。

社員の成長は、数週間、数カ月経つと成果が見えてくる。成長した人とそうでない人の差が顕著になって現れる。売り上げを上げている人とそうでない人、業務の質が向上した人とそうでない人。部下や後輩が十分に力を発揮していないとしたら、それは指導した上司や先輩の責任である。

部下が成長していないことに対して、指導に当たった上司が「彼はやる気がない」「彼には能力がない」と、自分の指導を棚に上げ、部下の能力不足や努力不足を責める人がいる。それは自分を責めているということに気付いていない。自分のことを「能力がない」と言っているのと同じで、恥ずかしいことである。部下を指導し、成長させるのは、自分自身を教育・育成することになる。

部下が成長しない、失敗ばかりするということであれば、これは「部下の課題であり部下の責任だ」と切り捨てることはできない。上司と部下の共通の課題であり、何が足りないか、どうすれば補足できるかを共有しなければならない。更に言えば、部下の成長は、部下の問題ではなく上司の問題である。上司の問題として、指導方法が間違っていたのではないか、改善する余地があるのではないか…と考えなければならない。

上司が「君はなかなか成長できていないようなので、少し話をしようか」と言ったとき、嫌がる部下がいる。上司からの威嚇としか受け止められないのかも知れない。指導していることを上司自身が実行できていない、部下の話を聞かないのなら、不信感が募る。

しかし、上司と部下の関係が良好であれば威嚇や皮肉と受け取られることはない。部下の可能性に注目し、同じ目的・目標を目指す同志として、協力し合えれば達成も可能になる。上司も部下も、一緒に仕事ができること自体に「ありがとう」の気持ちを持つことから始めよう。それがお互いを一人の人として尊重し、成長する第一歩だと思う。

日本産機新聞 2022年9月20日

[ コラム ][ 仕事考 ][ 日本産機新聞 ] カテゴリの関連記事

サンコーインダストリー 東大阪市に新倉庫が竣工

出荷待ちの荷物も効率的に管理 ねじ卸大手のサンコーインダストリー(大阪市西区、06・6539・3535)の新物流倉庫が、東大阪市荒本北に完成し、10月1日に竣工式が執り行われ、14日より稼働を開始した。 新倉庫は敷地面積 […]

山善 「ヒューマノイド・フィジカルデータ生成センター」の構築プロジェクトに参画

人の作業を幅広く再現可能に/26年以降、本格導入目指す 山善は、ヒューマノイド(人間に似せた形状の)ロボット向けに最適化された「ヒューマノイド・フィジカルデータ生成センター」の構築プロジェクトに参画する。今年4月から業務 […]

三共精機 人材採用支援サービスを開始

外国人留学生やエンジニアなど 機械工具商社の三共精機(京都市南区、075・681・5711)は、製造業の経営サポートを行うため、人材採用支援サービスを開始した。昨今、製造業は慢性的な人手不足を抱えており、現場の即戦力や海 […]

トピックス

関連サイト