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根幹探り重い問題から手をつける【現場考】
納期遅延が頻発、乱雑な現場、人手も足りないー。そんな工場を数年で立て直した40代の工場責任者に話を聞く機会があった。「当初は何から手を付けてよいか分からない状況だった」という。
まず取り組んだのが現状把握。課題を掴むため「工場内の顧客相談窓口」になった。「あらゆる課題やトラブルを全て報告してもらい、粘り強く一つずつ対処していった」。部品発注や在庫の管理、不足工程の人の手配などあらゆる手を打った。
それでも抜本的に良くならず悩んでいた時のこと。工場に遊びに来たOBが「この図面の部品はここが肝なんだよな」とつぶやいた。しかし、そんなことは図面に全く記されていない。当時の技術者は善意で、現場で勝手に直していたという。
この時、全ての問題が図面の不十分さにあると気づいた。「図面には技術者の勘やコツが書き込まれておらず、図面通りに作っても、うまく組付けられない。だから、加工戻りが発生し、在庫が滞留し、工程にバラつきが生まれる」。図面の在り方を見直したことで、改革が進んでいったそうだ。
工場に限らず、営業でも改革や改善の推進は管理職の重要な業務だ。しかし「何から手を付けていいのか」と悩む管理職は多い。
先の工場責任者は「常に問題の根幹を考え続けることが重要」と助言する。「自身も当初は出てきた問題をひとつずつ解決する『もぐら叩き』だった。目の前の問題に対応するのは大切。しかし、対処療法であることが多い」。
そして「考え抜いて、根幹だと思える問題に気づいたら、必ずそこから手を付けることだ」という。その責任者はOBが作成した図面を絶対だと思い込み、それが改革の肝だと気づくのに遅れた。しかし、気づいた時、すぐにメスを入れて改革は進んだ。「改革を進めるには手間がかかることでも、最も重く重要なものから取り組む勇気が必要だ」。
日本産機新聞2026年8月20日号
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