2026年6月7日(日)

【特集:工具管理ツール】販売だけでなく、管理や調達までも支援

切削工具や工具の販売だけにとどまらず、工具管理ツールを活用し、工具の調達や管理までを請け負う動きが広がっている。人手不足で工具管理に充てる人材を減らし、生産や開発に注力したいというユーザーニーズが強まっていることが背景にある。機械工具販売店にとっては、ユーザーの工場内に入りやすくなったり、関係性を深めたりすることにつながる。さらに、急な納品などの営業コストの削減、ユーザー1件当たりの売上増を見込めるなどのメリットがある。

工具管理をシステム化することでユーザー接点の増加や関係性の強化にも有効との向きがある

ユーザーの工具調達や管理をサポートする工具管理ツールは提供者が多彩だ。まず、工具メーカーやツーリングメーカー、ソフトメーカーらが提供する製品。卸商社や販売店が独自で開発した製品のほか、最近ではネット通販企業も参入している。また、自動販売機タイプや、工具管理箱タイプ、ソフトウェア、場所を問わないタイプなど仕様も多岐にわたる。

提供の仕方もさまざまだ。工具管理システムを有償で販売するタイプ、一部の商社やネット通販が提供するタイプでは、物販で収益を上げる仕組みを採用しており、導入費を無料や低コストにしているものもある。

いずれの仕様にしても、共通する目的はユーザーの工具調達や管理の手間を減らすこと。工管理ツールを活用することで、工具の使用状況を常に把握し、無駄な工具の購入削減や、急な欠品をなくすことができる。また、必要な製品の在庫を常に確保できるため、管理者の作業削減にもつながる。

一方で、工具管理に関する作業を減らしたいというニーズも強くなっている。背景にあるのは人手不足だ。最近、工具管理ツールを導入したユーザーは「人手不足が加速する中で、技術者を生産や開発に専念させたい。そのために作業者が工具を探す時間や、管理する作業を減らしたかった」という。導入後は「管理コストの削減効果だけでなく、工具の使用量が見える化されたことで『工具を使い切る』意識が高まる効果があった」という。

機械工具販売店にとっても、工具管理ツールを提案することはさまざまなメリットがある。その一つがユーザー接点の増加だ。近年ではセキュリティの問題で「現場に入りづらい」という声は多い。

工具管理ツールを導入してもらうことで「現場に入りやすくなり、他の製品やサービスが提案しやすくなった」(ある販売店)という。

関係性強化も利点の一つ。自ら工具管理ツールを購入し、ユーザーに貸与している販売店では「ツール導入前の打ち合わせに時間が掛かるが、導入後も頻繁に打ち合わせが必要になったり、工具の提案が増えたり、ユーザーとの関係性が深くなった」と話す。

また、導入する際には、複数の機械工具商から購入することが少ないため、囲い込みにつながり、1社当りの売上増が期待できる。急な納品をする可能性も減るなどのメリットもある。

工具管理を支援する注目7社の製品はこちら

日本産機新聞2026年4月20日号

[ 切削工具 ][ 日本産機新聞 ][ 特集 ] カテゴリの関連記事

目的と意味を伝えて納得のコミュニケーションを【現場考】

学生時代の部活動などで理不尽な思いを抱いた人は少なくないだろう。前時代的だが、自身の経験でも「延々と走れ」とか「全員が目標をクリアできなかったからやり直し」など「なぜ?」と思うことは少なからずあった。そして大抵の場合、そ […]

YUASA  田村 博之社長「社名をYUASAに変更」【この人に聞く2026】

YUASA 田村 博之社長「社名をYUASAに変更」【この人に聞く2026】

新中期経営計画を発表、5年後は経常利益200億へ 今年360周年を迎えるユアサ商事は4月1日、社名を「YUASA」に変更した。アルファベットにすることで、海外での認知度を高め、グローバル展開を加速させる。合わせて、5年の […]

象印チェンブロック、鉄道保守の省力化に照準 マテハン技術はここでも活きる

チェーンブロックやホイストを手がける運搬機器メーカーの象印チェンブロック(大阪府大阪狭山市)は、インテックス大阪で5月27日から29日まで開催された「第2回 鉄道技術展・大阪2026」(主催・産経新聞社)に出展し、鉄道メ […]

トピックス

関連サイト