2017年7月28日(金)

機械工具商社9社 2016年第1四半期決算

補助金の反動 外需低迷など

7社減収も国内底堅さ

2016年3月期第一四半期決算 機械工具上場商社9社の2017年3月期の第一四半期決算が出そろった(トラスコ中山は第二四半期)。7社が減収減益となり、厳しい数字が並んではいるが、決して「悪い」水準ではない。前年同期が省エネ補助金などの影響で好調だったため、その反動が大きかったからだ。工作機械を多く扱う会社ではその影響は色濃い。また、中国の減速など外需の落ち込みに引っ張られた部分も強く、内需に関して好調とは言えないまでも底堅さはある。通期予想では、トラスコ中山が上方修正し、全社が期初の見通しを変えていない。

ものづくり補助金 JIMTOF商戦 通期は見通し明るさ

 8月18日、日本工作機械工業会は2016年の受注見通しを1兆5500億円から1兆3000億円に引き下げた。下方修正ではあるものの、月1000億円超の水準は受注環境としては悪いわけではない。ある工作機械メーカー幹部は「不確定な要素はあるが、数字だけ見れば健全な水準」と話す。機械工具業界の第一四半期も工作機械と同じく「良いとは言えないが、悪くはない」(ある商社幹部)状況だ。

 その要因の一つが前期は省エネ補助金特需があり、その反動が大きいためだ。省エネ補助金は昨年4月下旬に採択され、5、6月と機械の数字は積みあがり、機械商社では二ケタ増を記録。けん引されるように機器や工具需要も拡大した。

 今期のものづくり補助金の採択は6月中旬で、数字は第二四半期以降に影響が出る。このため「補助金待ち」の状況も第一四半期を押し下げた。そうした環境下ではむしろ健闘したともいえる。

 例えば山善。EMS向けが半減するなど全体の売上は9%減となったが、国内だけを見れば、機械、工具ともほぼ横ばいを維持。ユアサ商事も、外需などで機械はマイナスとなったものの、産業機器は微増となっている。フルサト工業も同様だ。工作機械事業はマイナスとなったが、機器・工具事業は微増を確保した。

 一方で唯一、増収増益を記録したトラスコ中山(12月期決算)。要因の一つがネット通販向けなどのeビジネスルートの伸長だ。第二四半期累計では、同ルートの売上高90億円強と3割近い増収となっている。同じく、増収を確保した日伝も「投資姿勢が慎重になっているものの、更新需要などを中心に底堅く推移した」としている。

 とはいえ、機械工具業界を取り巻く環境は悪くはないが「良い」わけでもない。工場の稼働率に直結する切削工具の動きに力強さがないからだ。超硬切削工具の4―6月の出荷額は611億円と前年同期比で約1割落ち込んでいる。切削工具を多く扱うNaITOや大阪工機も切削工具の売上高は減少している。

 しかしながら、第二四半期以降は、ものづくり補助金の影響が出始めるほか、今秋にはJIMTOFも控え、商戦も本格化しマイナス要素ばかりではない。中長期では、東京五輪の特需も出始めるほか、来春にはトヨタ自動車のTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)の本格化も控える。こうした背景も踏まえ、通期予想では、トラスコ中山は上方修正したほか、他社も期初に立てた見通しを変えていない。

日本産機新聞 平成28年(2016年)8月25日号

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